K's Point

Kのことば

I think you will begin to see that desire has very little significance in life for a man who is really seeking.

真剣な探求者の人生において、欲望はほとんど重要ではないと知るようになるとおもいます。

J.Krishnamurti

Mary Lutyens, The Krishnamurti Reader, ARKANA, 1970

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何かの目標を打ち立て、そこを目指すという意図には思考が大いに働いている。この思考が源泉となって、「成し遂げたい」という欲望がつよくなる。

ここでクリシュナムルティがいう「真剣な探求者」は、その法則を理解しており、思考の拘束を忌避し、なによりも感性をみがく生き方に邁進することになる。

「悟りたい」という欲望が、思考の変容した姿にすぎないと理解した意識は、その欲を落し、その必然として、「悟り」が起こるのである。(K's Point)

K's Point

Kのことば

If the seed is strong you really have nothing to do with it.

種がしっかりしていれば、実際のところ何もする必要はないのです。

J.Krishnamurti

Mary Lutyens, The life and Death of Krishnamurti, Rider, 1991

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Kのいう種 (seed) は、存在の根源というほどの意味である。植物の枝や幹が傷つけられ、切除されても、根がしっかり、健全に働いているのであれば、生命そのものに支障はない。

種は、生命の全ての情報が詰った完全な源泉である。小さな芥子(からし)の種が、成長すると見上げるほどの巨木になる。

さて、ひとにおける種をどう考えるべきか。それさえしっかりしておれば、すべて良し、といえるものとは?

地上の人間、組織、民族などのあさましい葛藤の光景は、「赦せない」ひとが圧倒的に多数となって、争い、奪い合い、敵意を増大させている姿である。

違いが許容できない、その意識は、人類の教育に依拠するのではないか、とおもう。勝者、成功者をつくる教育は、いたるところで闘いを助長している。助け合う、赦し合う教育など、地上を闘争の場としか見ない多数派には、軟弱なアイデアと一笑にふされるにちがいない。

「いい種」は、寛大で安定した意識をもつ生命体であり、その種を育てる土壌は教育にある、と信じる。

(K's Point)

K's Point

Kのことば

Maturity is not a matter of age, it comes with understanding.

成熟は年齢とは無縁です。それは理解と共に得られるのです。

J.Krishnamurti

EDUCATION AND THE SIGNIFICANCE OF LIFE, Victor Gollancz, 1992

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飲酒、喫煙、出産、あるいは薬剤などについては、生物的、生理的要件の充足が前提となって成熟の目安が定められる。成人年齢も国によって、合衆国のように州によって、あるいは宗教的戒律によってちがっている。

人間としての成熟は、経験の質、長さ、知識量などではなく、実人生の中で学びえたことが、理解という水準に到達しているかが問われる。社会という枠組みにおける成功者、知識人、言論人などが、理解を所有するひとと思いがちだが、処世の術や学術的教養で測れないものが理解なのである。

(K's Point)

K's Point

Kのことば

I hold that there is an eternal Life which is the Source and the Goal, the beginning and the end and yet it is without end or beginning.

根源であり到達点であり、また、始まりであり終焉でもある、それでいて終わりも始まりもない永遠の生が存在する、と私はおもっている。

J.Krishnamurti

Krishnamurti; THE YEARS of AWAKENING, 1991

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生の姿を、「私」や「誰か」の個別な人生から距離をおいて、空の雲の形を眺めるように認めることは難しい。まず、やらない。やれていない。

ひとは、自分が巻き込まれている(と意識する)人生の潮流に苦戦している自身の姿を心的な風景として時に目撃するのが精一杯ではないか。

クリシュナムルティの知る生は、絶対的静止時間の中で営まれているので、過去への悔恨や将来への不安は存在しない。この永遠の生が、特定の個体にのみ、気まぐれに発現しているのでないことを凡庸な脳は望むだけである。

(K's Point)

K's Point

Kのことば

The more you depend, the more there is disgust and the demand to be free. This demand for freedom encourages fear, for this demand is a reaction, not freedom from dependence.

依存すればするほど、嫌悪と自由への欲求が高まります。この自由への欲求は、不安を増大させるのです。なぜなら、この欲求は一種の反応に過ぎないのであり、依存からの自由にはなりえないからです。

J.Krishnamurti

J. Krishnamurti, The Urgency of Change 'Awareness'

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依存によって安心を得ようとしている筈が、その思いどおり機能しないのは、依存が損得の計算をふまえた思考にすぎないからです。

「思考の働き」が、この場合、隠れて存在するので、思考のワナにはまってしまっているのです。(K's Point)

K's Point

Kのことば

First I must know I am stupid , that I am dull. The very awareness of my dullness is to be free of that dullness.

まず何よりも、私は愚かで、鈍感であることを理解しなければなりません。自分の鈍感さへの、その気付きそのものが、その鈍感さを排除することになるのです。

J.Krishnamurti

J. Krishnamurti, YOU ARE THE WORLD, Harper & Row, 1973

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「抜けている」のが人間。学校の勉強がよくできたひとも、うかつにも見落としていることが少なくない。その感受性の不完全さに気づくには、自分の厳格で、注意深い観察をゆるめず、日々、瞬間瞬間をボーっとしないで、生きることが求められている。

(K's Point)

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