K's Point

Kのことば

I hold that there is an eternal Life which is the Source and the Goal, the beginning and the end and yet it is without end or beginning.

根源であり到達点であり、また、始まりであり終焉でもある、それでいて終わりも始まりもない永遠の生が存在する、と私はおもっている。

J.Krishnamurti

Krishnamurti; THE YEARS of AWAKENING, 1991

/// /// ///

 

生の姿を、「私」や「誰か」の個別な人生から距離をおいて、空の雲の形を眺めるように認めることは難しい。まず、やらない。やれていない。

ひとは、自分が巻き込まれている(と意識する)人生の潮流に苦戦している自身の姿を心的な風景として時に目撃するのが精一杯ではないか。

クリシュナムルティの知る生は、絶対的静止時間の中で営まれているので、過去 への悔恨や将来への不安は存在しない。この永遠の生が、特定の個体にのみ、気まぐれに発現しているのでないことを凡庸な脳は望むだけである。

(K's Point)

K's Point

Kのことば

The more you depend, the more there is disgust and the demand to be free. This demand for freedom encourages fear, for this demand is a reaction, not freedom from dependence.

依存すればするほど、嫌悪と自由への欲求が高まります。この自由への欲求は、不安を増大させるのです。なぜなら、この欲求は一種の反応に過ぎないのであり、依存からの自由にはなりえないからです。

J.Krishnamurti

J. Krishnamurti, The Urgency of Change 'Awareness'

/// /// ///

 

依存によって安心を得ようとしている筈が、その思いどおり機能しないのは、依存が損得の計算をふまえた思考にすぎないからです。

「思考の働き」が、この場合、隠れて存在するので、思考のワナにはまってしまっているのです。(K's Point)

K's Point

Kのことば

First I must know I am stupid , that I am dull. The very awareness of my dullness is to be free of that dullness.

まず何よりも、私は愚かで、鈍感であることを理解しなければなりません。自分の鈍感さへの、その気付きそのものが、その鈍感さを排除することになるのです。

J.Krishnamurti

J. Krishnamurti, YOU ARE THE WORLD, Harper & Row, 1973

/// /// ///

 

「抜けている」のが人間。学校の勉強がよくできたひとも、うかつにも見落としていることが少なくない。その感受性の不完全さに気づくには、自分の厳格で、注意深い観察をゆるめず、日々、瞬間瞬間をボーっとしないで、生きることが求められている。

(K's Point)

K's Point

Kのことば

Ever since I was a boy I have been in revolt. Nothing satisfied me. I listened, I observed, I wanted something beyond mere phrases, the Maya of words. I did not want to rely on anyone.

少年のころからずっと、私は反抗的だった。満足を与えてくれるものは何もなかった。私は、聞くこと、観察することはしたが、ただの幻想でしかない言葉を超えたものを求めていた。だれにもたよることは 望まなかった。

J.Krishnamurti

Krishnamurti ; His life and Teachings, PILGRIMS PUBLISHING, 2008

/// /// ///
 

Kの「反抗」は、闘いを含んでいるものではなく、自分の感じ方に忠実であろうとしたことだったのです。大人が盲信している価値やもっともらしいふるまいを受け入れず、自立していただけ。子供に「すなおさ」を求める願望は、少なく とも、狭量な大人のエゴともいえるでしょう。(K's Point)

K's Point

Kのことば

When two people observe with the same intensity, freedom, and clarity, they see the same thing.

二人の人間が、同程度の真剣さと自由なこころをもって観察するとき、両者はまったく同じものを見るのです。

J.Krishnamurti

Krishnamurti Foundation of America, 2024.3.2


/// /// ///
 

ひとりひとりの人間の生きる世界は、自己としての個別な認識機能によって形成されている。この観点からすれば、すべてのひとが、自己のオリジナル世界を生きているだけ、といえる。

クリシュナムルティは、真剣さと自由が高度に 共有されたときには、その共有者は、同じ世界を認識しているというのだ。このとき、個々の人間存在が、現象的に制限された知覚機能および思考から解放 されて、意識の共有、あるいは重なりを経験するのだ。この「真剣さと自由」の条件は、要するに、「愛」の力として統一されて満たされるものだとおもう。(K's Point)

065

To uncover is to discover, but to accumulate what you discover is to cease to discover.

覆いを取り除くことが発見なのですが、あなたが発見したものを溜め込んでいくと、発見を阻止することになるのです。

J. Krishnamurti: A BIOGRAPHY, Pupul Jayakar, PENGUIN, 1986

/// /// ///

 

クリシュナムルティの指摘は、一般に、記憶の産み出す問題を暗示している。知識として、経験が蓄えられていくのだが、その知識をありがたくおもいすぎると、新たなものとの出合いを見失ってしまう。発見が生起するためには、記憶された知識の邪魔が入らない状況が必要なのだ。

2024-02

064

Truth cannot be accumulated. What is accumulated is always being destroyed; it withers away.

真実が蓄積されることはありません。蓄積されるものは、例外なく、崩壊していきます。朽ちていくのです。

The Book of Life, HarperCollins, 1995

/// /// ///

 
一般に「学習」においては、知識の蓄積が尊重され、実際に、「覚える技術」「思い出すコツ」などが実践的に重視されます。しかし、真実という知のもつ性質は、塗り替えられて古くなる知識でもなく、限られた領域でのみ有効な情報でもないのです。真実は、普遍の価値を、時間と場を超えて維持しうるものなのです。(K's Point)

2024-01

063

Thought cannot think about emptiness.

思考は「空」を思考できません。

Truth and Actuality, 1977

/// /// ///
 

存在しないもの、概念化しにくいものを対象化することができないのが思考です。「空っぽ」という状況に対して、実体を把握できないまま、外面的に語るとすると、存在を否定して、「存在しない」というしかありません。
しかし、emptinessが、それ自体、自立的に存在しており、そこには非存在とは全く異なる存在の実体をもつものであるという事実に関して、思考は無力なのです。
この事実から、「空」が思考の無能を明確にし、概念を超えた実体として存在しうる可能性が残されます。
われわれの生命は、「空」に似て、概念で掴みようのない実体として在るのです。皮膚や臓器や血管のかたまりが生命ではなく、それは生命がout-putした表現物でしかないことを認めれば、生命の科学である医学も、次元を変えた科学に進展するはずです。(K's Point)

2023-03


062

たった5人のひとが、しっかり聞き、生き、永遠なるものに対面してくれたら、もう十分だとおもいます。

If there are only five people who will listen, who will live, who have their faces turned towards eternity, it will be sufficient.

Pupul Jayakar, J.Krishnamurti: A BIOGRAPHY, PENGUINE, 1986

/// /// ///


聞く力は、話す力と比較すると、まず、評価しにくい。話のうまい下手は、むき出しになるが、聞くという行為は、まったく当人において生じている現象なので、分かりにくい。
うなづいている、感動的表情をつくっている、真剣に受け取っているかに見える、としても、当てにならない。
クリシュナムルティは、まず、ひとは聞いていない、聞けていない、聞こうとしていない、という認識を確固たる事実としていたが、地上の5人との出合いのため話し続けたのだ。
聞く力は理解する力である。聞けない人は理解できない。聞けない人は、結局、学べない人である。聞く態度に、ひとの理解力がまちがいなく反映される。
人類は、いま、聞くことよりも主張を優先し、理解よりも闘争を尊重する場をつくることに熱意をもっているようだ。(K's Point)

2023-02

061

経験というものの性質を理解する必要があります。
経験を所有しないこころ、経験を探し求めることのないこころだけが、完全に機能しているのです。

It is necessary to understand the nature of experience. Only the mind that is without experience, and that is not seeking experience, is in a state of complete profundity.

J. Krishnamurti, Saanen, 1964

/BASIC ENGLISH/

It is important to see the nature of experience. Only the mind that is without experience, and that is not looking for experience, is conditioned to be completely working.


/// /// ///


行為(do)そのものと経験(experience)の違いを理解しなければならない。行為の記憶は、こころの記憶機能にあるが、行為が記憶されると知識として蓄積される。この知識が経験である。経験を想起しないこころだけが完全に機能する、とKは語る。(K's Point)

2023-01

◉ BASIC ENGLISH(BE)訳について

BEは、K's Pointでクラスを開講している、850語の英語語彙のみで基本的な意思伝達が可能になるシステムです。
学習中の方はもちろん、そうでない方も、この英語表現をとおしてクリシュナムルティの言語のエッセンスを味わっていただければ幸いです。

BASIC ENGLISH Class

060

真理は道なき土地であり、どのような道を経てもたどり着けないのです。いかなる宗教によっても、いかなる宗派によっても、です。これが私の認識であり、絶対的に、無条件に、そこに固守します。

I maintain that truth is a pathless land, and you cannot approach it by any path whatsoever, by any religion, by any sect. That is my point of view, and I adhere to that absolutely and unconditionally.   

1929

/BASIC ENGLISH/

I am certain that what is true is a land without ways. It is impossible for you to get there by any way, by any religion, by any group. That is my point of view, and I keep myself fixed to that without any conditions.


………

真理とは、あらかじめ用意された、そこに至る道もなければ、その助けをしてくれる個人も、組織もないもの。ひとりひとりが、自分の道を、自立して、歩いて、真理に到達する以外ない。
真理を売り物にする教団は、愚かにも、真理を商品としているのだから、自らの俗物性を露にしているといえる。
イエスや仏陀が真理を知っていたとしても、その名を名乗る教団が、組織として、真理を語る資格や能力を有していることにはならない。
真理は個に宿る。集団にはない。相続も、継承も、シェアーもできない。 (K's Point) 

059

死は結末のない始まり 

ひとが、真剣に探求すると、死は人生の最後に存在するものではないことが理解できるようになります。
死は生と密接につながっているのです。
終焉があるところでは、つまり、何も生じない完全な終焉においては、結末のない始まりが存在するのです。

One begins to understand, if one goes into it very deeply, that death is not something at the end of one’s life, but is a movement of life. 
Death is closely related to life.
Where there is an ending, a complete ending without causation, there is a beginning without end.

The Book of Life 

………

「何も生じない完全な終焉」は、時間を奪われた場に生じる。時間を失った生の場において、絶対的、不動の生が生じる。この生を、ひとは死と呼んでいる。(K's Point) 

058

真の変化 Real Change

変化は既知のものから未知のものにおいてのみ可能なのです。既知から既知への変化では、権威が存在します。階層的な見方が存在します。
つまり、「あなたは知っているが私は知りません。なので、あなたを尊敬します。組織をつくり、グルー(指導者)に従います。あなたは私の知りたいことを教えてくれるので、あなたに従います。結果、成果、といったものを生み出す確実な手だてを与えてくれるのですから。」 

A change is possible only from the known to the unknown, not from the known to the known. Do please think this over with me. In the change from the known to the known, there is authority, there is hierarchical outlook of life 'You know, I do not know. Therefore, I worship you, I create a system, I go after a guru, I follow you because you are giving me what I want to know, you are giving me a certainty of conduct that will produce the result, the success and the result.' 

The Book of Life 

/BASIC ENGLISH/
A change is possible only from the known to the unknown, not from the known to the known. Do please have a thought of this over with me. In the change from the known to the known, there is authority, there is an organization with an outlook of life 'You see, I do not see. Therefore, I have a great love for you, I make a system, I go after a guru, I come after you because you are giving me what I am to know, you are giving me a certain act that will give the result, the success and the result.'

………

既に知られているものを探しもとめる性癖は、人間の悲しい権威への追随を示している。知られていないものと共に生きることの新鮮な経験を、味わえないのだ。

知識に容易に支配される人間は、容易に翻弄される人間でもある。自分に出合わず、他者への追随か比較に、時間を浪費し、疲れる。(K's Point)

057

洞察は、自己の不在の中に在るのです。意識が、それ自身に気づいているとき、そこには何も存在しないので、そこに洞察が在るのです。その空白が洞察なのです。洞察は、空虚であり、自己不在なのです。

Insight is in the absence of self. When consciousness is aware of itself and there is nothing, then there is insight. That nothing is insight. Insight is emptiness and non-self.

Mary Zimbalist, In the Presence of Krishnamurti, SHF production, 2018

/BASIC ENGLISH/
The power to see the true is not in self. When the conscious is awake of itself and there is nothing, then there is the power to see deeper. That nothing is the power to see. That power is of space and without self.


………

知識や経験という濃密な情報への期待あるいは依存を大きくしている頭脳は、それゆえに、動きの取れない不自由を抱えてしまう。
人の気配のない自然環境に身を置き、その静謐な美に魅了されていて、自己にまつわる事象に全く意識がいかないときのこころの空白を経験したことがないだろうか。(K's Point)

056

昨日の経験、今日の感覚に死ぬことが重要です。でないと、繰り返しになるだけです。行為の、儀式の、ことばの繰り返しは空しいかぎりです。反復には新しく生れるものがありません。経験の死こそが創造なのです。

It is essential to die to the experience of yesterday and to the sensations of today, otherwise there is repetition; and the repetition of an act, of a ritual, of a word, is vain. In repetition there can be no renewal. The death of experience is creation.

Commentaries On Living

/BASIC ENGLISH/
It is necessary to come to the end to the experience of yesterday and to the feelings of today. If this is not so, there is copy; and the copy of an act, of a form, of a word, is of no use. In copy there is unable to be nothing new. The end of experience is making new sort of things.

………

IT社会の便利機能の多くは、ルーティンの繰り返しを自動的にやるループをプログラムのベースにしている。人間は、単調な繰り返しを仕事にしたくないとおもう反面、同じことを繰り返す安心、安定感に縛られている。経験そのものと自己を同一視し、経験を継続させるとしたら、自己の進化はない。(K's Point)

055

愛は、神の愛、夫婦の愛、兄弟の愛といったものではありません。こういうラベルが知られていますが、愛はただ愛なのです。各自の勝手な意味付けとは無縁なものです。

Love is not divine love or married love or brotherly love –You know all the labels. Love is just love, without giving it a meaning of your own.

Bombay, 1957 (Collected Works, Vol. X)

/BASIC ENGLISH/
Love is not Greater Living Love or married one's love or brother's love — You have all the tickets on it. Love is just love, without giving it your picture.

………
名づけることによって認識が確保されたり、深められると思い込んで いる思考の性質が、愛の実体、正体を見極める力を衰弱させる。 愛を区別し、愛に等級、深度を与えている思考が多様な表現を生み出 している。「愛の物語」はあふれているが、そこにある愛は闘争と失 望、そして一時の歓喜にすぎない。(K's Point)

054

宗教的こころは、信じるこころではありません。毎日あるいは週に一度教会へ行くというものではありません。信条をもっている、ドグマや迷信にしばられているこころでもありません。

宗教的こころは、真に科学的なこころなのです。歪めることなく事実を観察する、在りのままを在りのままに見る、という意味において科学的なのです。

The religious mind isn’t the mind that believes, that goes to church every day, or once a week; it isn’t the mind that has a creed, that is bound by dogmas and superstitions. The religious mind is really a scientific mind – scientific in the sense that it is able to observe facts without distortion, to see itself as it is.

/BASIC ENGLISH/
The mind of religion isn't the mind which has a belief; it is not necessarily going to church every day, or once a week; it isn't the mind that has a system of belief, that is tied by fixed views and make-beliefs. The mind for higher Self is really a mind of science – science in the sense that it is able to see facts without twists, to see itself as it is.

religion:国際語として850語外に認められた語

………

在りのままに見ることから、思考の、記憶の混入をしりぞけるなら、「見える」世界が変わるはずです。知識にもとづいて「見ている」ことに気づくだけでも、世界の透明度が増し、知識は自己の本質とは関係のないものであることが実感されるはずです。(K's Point)

053

今がもっとも重要です。どれほど悲劇的であれ、苦痛にみちていても、今だけが唯一、真実への扉となっているのです。

The present is of the highest importance; the present, however tragic and painful, is the only door to Reality.

J. Krishnamurti, His Life and Teachings, Pilgrims, 2008

/BASIC ENGLISH/
The present is the most important point; the present, howeververy sad and much pain, is the only door to the true.

………
苦しみと感じる事態は、それがどのような原因によるものであれ、例外なく「間違い」が引き起しているのです。私の内なる間違いの表出、あるいは、間違った認識、評価、推測。苦は真実を受け取らない抵抗がうみだす軋(きし)みといえるでしょう。拒否、抵抗は、苦を産み、苦を増大させます。真実を甘受することにより苦は、その存在の場を失い、消滅します。(K's Point)

052

Attention ends fear
意識集中は不安を消滅させる

あなたが全面的で完全な集中をしているとき、そこには観察者が存在しません。そして、不安をうみだすのは観察者ですが、思考の中心にその観察者が存在するからです。観察者は、「私」、自己、自我と呼ばれています。観察者は、センサー(情報感知器)なのです。

When you give such total and complete attention, there is no observer at all. And it is the observer that breeds fear because the observer is the centre of thought; it is the “me”, the “I”, the self, the ego; the observer is the censor.

/BASIC ENGLISH/
When you give such complete attention, there is no watcher at all. And it is the watcher that gives fear because the watcher is at the middle of thought; it is the "me", the "I"; the watcher is of the senses.


………
全面的な集中とは、たとえば、「見る」という行為に専心することである。
見る対象について、一切感想や評価を頭の中に生起せず、ただ見るのである。そうすると、思考という土壌を失った「私」は、存在の基底を失い、必然的に、存在できなくなる。
(K's Point)

051

あなたは誰かを愛しているのかもしれませんが、その愛はひとりに限定されているものではありません。あなたは全人間性をひきとった存在なのですから。あなたは世界そのものであり、世界はあなたそのものなのです。

Though you may love another, but that love is not restricted to one because you are the entire humanity. You are the world, and the world is you.

Brockwood Park, England, 1984

/BASIC ENGLISH/
Though you may have a love for another, but that love is not limited to one because you are the complete amount of being. You are the world, and the world is you.


………
「全人類を分け隔てなく愛する。でなければ、その愛は、偏ったものであり、エゴのものだ」。このようなメッセージを見聞きします。この指摘が「絶望的に困難」であると考え、感じるひとにとっては、その絶望感から、愛は観念的で、非現実的というしかない存在になります。「あるべき姿」は、そもそも観念の産物で、実効性をもちません。
Kは「ひとりの人間」に人類全体の存在が包含されているというのです。ひとりを愛することが、自分を含めた人類をまるごと愛することになる。このとき、愛は、人間の個別性に向けられているのではなく、「人類」と包括された生命の集合体に関わりを深めているのです。(K's Point)

050

脳がその条件づけを、貪欲、羨み、野望などを洗い落としたとき、そのときにしか、完全なものを理解することはできません。愛とは、この完全性なのです。

Only when the brain has cleansed itself of its conditioning, greed, envy, ambition, then only can it comprehend that which is complete. Love is this completeness.

Krishnamurti's Notebook

/BASIC ENGLISH/
Only when the brain has got its conditioning, great and strong desire, bitter feeling, then only possible it makes out what is complete. Love is this complete thing.


………
貪欲、羨み、野望が発情に収束する状況を「愛」と呼ぶ習わしが世間では定着しているかのようだ。
欲望にあおられる思考は、愛する対象の所有する身体的、社会的、経済的条件を推敲し、「愛」を創作するのである。(K's Point)

049

どうしてひとは人生を「問題」にしてしまうのでしょうか。
仕事、セックス、収入、思考、感情、経験など、生きることのすべてが、なぜ問題になってしまうのでしょう。
そもそも、ひとはつねに特定な観点から、固定的な視点から考えてしまうからではないでしょうか。

Why do we make life into a problem?
Working, sex, earning money, thinking, feeling, experiencing—whole business of living—why is it a problem? Is it not essentially because we always think from a particular point of view, from a fixed point of view?

Krishnamurti's Notebook

/BASIC ENGLISH/
Why do we make our living into a problem?
Working, sex, getting money, thoughts, feeling, experiencing—all acts in living—why is it a problem? Is it not good to do so because we have thoughts from a narrowed frame of view, from a fixed point of view?


………
「問題」は人間の意識の中でつくられる。しかも、当人の思い込みの中で生み出される。
ほくろの位置が気に入らなければ、そのひとには容姿の問題になる。学校がおもしろくない、と子供言い出したら、親は、学校ではなく、子供を問題視する。
人生が雑多な問題の集合体と化し、人生自体が「解決不可能な問題」と解したひとは、自己の理解を問題にせず、人生を放棄する。(K's Point)

048

脳が、経験や記憶や思考をとおして自らを養うことを止めるとき、また、経験に完全燃焼するとき、その活動は自己中心性のないものになります。

When the brain ceases to nourish itself through experience, memory and thought, when it dies to experiencing, then its activity is not self-centred.

Krishnamurti's Notebook

/BASIC ENGLISH/
When the brain comes to get nothing through what you do, memory, and thought, when it is taken completely in your experience, then its work is not possibly the property of you.


われわれが日々出合うひと、場、事象に、意識を全開にして接する。そうすれば、姑息な計算や自己評価を恐れる気持ちの現出に時間は与えられない。灰も残らぬ完全燃焼で一日をおえる。無私の生が、ただそこにあるということでしょう。(K's Point)

047

「感じる」という言葉は誤解をまねきます。それは、情緒や気分、経験や感触、臭覚などを超えたものなのです。その言葉は誤解をまねきがちですが、意思を伝えるには使わざるをえません。特に、本質を語る際にはそうです。

本質の感触は、頭脳や、何かの幻想を経てやってくるものではありません。ショックのように経験できるものでもありません。それらをすべて超えたものであり、言語ではありません。

The word to feel is misleading; it's more than emotion, than a sentiment, than an experience, than touch or smell. Though that word is apt to be misleading, it must be used to communicate and especially so when we are talking of essence. The feel of essence is not through the brain nor through some fancy; it's not experienceable as a shock; above all, it's not the word.

Krishnamurti's Notebook  

/BASIC ENGLISH/
The word feeling is not working rightly. It's more than anything which is going on, experiencing in mind, than touch or smell. Though that word is likely to go wrongly, it has to be used for exchanging ideas and specially so when we are talking on what is. The feeling of what is, is not through the brain or unreasoning ideas; it is not able to have an experience as a shock. More importantly, it's not the word.

046

一つの花を間近に観察したことがありますか。すべての花弁が驚くほど精巧につくられています。それでいて、特別な優しさ、香り、愛らしさがあるのです。

Have you ever looked very closely at a flower? How astonishingly precise it is, with all its petals; yet there is an extraordinary tenderness, a perfume, a loveliness about it. 

Think on These Things

………
比較するのもおかしな話だが、人間の存在、生き方に、花のような無私の「優しさ」や「愛らしさ」があるのだろうか、と考えてしまう。
花には努力や忍耐が求められることはない。その美しさを自己評価しないし、他者の評価を知ることもないだろう。ただ「事実」のままに生きる花に比べて、ひとは、「願望」や「理想」に生きることを求められている。

花は、野望も見栄もなく、ただ自然の摂理の一部として気負いなく咲いている。花の無関心はわがままにはならない。
ひとが、在るがままに生き、事実だけに関心をもち、他者の声を聞き流すなら、自然の一部に溶解できるだろう。(K's Point)

045

愛は成就の手段ではないと知るべきだとおもいます。そうすると、愛は、結果のない、それ自体で完結した存在なのです。愛は、ひとつの存在形態なのです。

You will see that love is not a means of fulfillment. Then love is by itself without any result. Love is a state of being. 

Public Discussion 1 Saanen, Switzerland - 26 July 1978

………
ひとを愛するという行為において、「成果」や「達成感」を求めるのは、事業というべきものであるから、愛の顕現はない。

利益や欲望の充足を目的化し、それらの獲得にむけてもくろみ、精を出しても、それは愛の行為ではないのだ。(K's Point)

044

どうか私と議論して下さい。私の話すことを受け取るだけではなく。
これは私がひとりで話しているのではないのです。まさに、みなさんと一緒に議論しているのです。

Please discuss with me, don't accept anything I am talking about. This is not a talk by me. We are discussing the thing together, talking over together. 

Public Discussion 1 Saanen, Switzerland - 26 July 1978 

………
聴衆を前にしてKがひんぱんに語ったフレーズだ。決して「決まり文句」ではなく、切実な指摘である。
名声や地位のあるひとが話し手であるとき、聴く立場のひとは、無批判に、従属的に、ただ「受け入れる」という態度にながされやすい。
権威を認める意識の生起と同時に、検証作業は力を失い、理解を深める作業が放棄される。
「聴く」ことこそは「理解」の源泉、と語り続けたKではあったが、生涯、正当な聴衆にめぐまれなかったようにおもえる。(K's Point)

043

自由でないと、鮮明にものが見えません。自由がないと、美を感じとることができません。

If one is not free you cannot see clearly, if there is no freedom there is no sense of beauty.

Public Talk 2 Saanen, Switzerland - 09 July 1968

………
思考の中では、「不自由な自分」を見出すことは困難である。自由というものの広がりを決めているのは思考だからだ。
狭隘な世界に息詰る意識が、自己の不自由な世界像に気付き、それを広げられるか。その実現には、思考の檻からの離脱しかない。(K's Point)

042

真実を見出すには、頭脳が探求できる自由な状態になければなりません。つまり、そのためには、安易に受け入れたり、信じたりしてはいけません。私が真実を記述してみせることはできますが、あなた自身がそれを体得するものと同じとはかぎりません。

Surely, to find out what is true your mind must be free to inquire, which means that it cannot merely accept or believe. I can give you a description of the truth, but it will not be the same thing as your experiencing the truth for yourself.

Life Ahead

………
われわれは、そもそも自己の認識できる意識世界に閉じこめられて生きている。自分にとって確かな実感をもちうる事象だけを、その意識内で「経験」しているだけだ。
誰か(権威も含め)が見つけた知識を、軽はずみに真実と思い込んではいけない。多分、それらの大半は、自己の意識世界では、真実どころか、ゴミ屑でしかないからだ。(K's Point)

041

変化とは、現状から、それと違ったものへの移動を暗に示すものです。

この違ったものは、単に反対にあるものなのか、あるいは、共に別の秩序に属しているものなのでしょうか。単に真反対にあるというだけなら何も違っていません。寒暖、高低など、両極にあるものは全て互いに依存しあっているからです。

Change implies a movement from what is to something different. Is this something different merely an opposite, or does it belong to a different order altogether? If it is merely an opposite then it is not different at all, because all opposites are mutually dependent, like hot and cold, high and low. 

The Urgency of Change

040

思考は、樹木を産みだせませんが、家を建てたり椅子を作ったりするのに木を利用してきました。
思考は、利用し、そして破壊するのです。思考は、愛も、思いやりも、美の性質も創造することはできません。

Thought has not created the tree but thought has used the tree to build the house, to
make the chair. Thought uses and destroys. Thought cannot create love, affection and the quality of beauty.

Letters to the Schools

039

なんとも心地よく純粋に広々とした空が、そこにあるのですが、気まぐれな風に流される小さな雲をめぐって口論しているひとがいます。

There is a lovely pure and open sky and people are quarreling about the small cloud that's driven by the blind wind.

Mary Lutyens, KRISHNAMURTI:THE YEARS OF AWAKENING, AVON, 1991

038

ひとが「在りのまま」という状態こそが神聖であると理解したら、戦争もなくなるでしょうし、願望をいだくことも、搾取することもないでしょう。

If you see that what is is sacred, you do not murder, you do not make war, you do not hope, you do not exploit.

The Urgency of Change, Harper&Row, 1970

037

論理は愛ではありません。理屈も愛ではありません。愛されたい、愛したいという欲望も愛ではないのです。

Logic is not love, reason isn't love, and the desire to be loved and to love is not love.

1977.4.16, Ojai, USA

………
明らかに、それではないものを知ることから、自己の陥っている欺瞞や間違いに気付きやすくなる。
しかし、それ以前に、真実を知ろうとしない怠慢や虚偽が大きな障壁となっている。(K's Point)

036

人生は実に不思議なものです。予想を超えたことが頻繁におこります。抵抗するだけではどんな問題も解決しません。並外れた柔軟性と素直なこころが必要なのです。

Life is strange, so many things happen unexpectedly, mere resistance will not solve any problem. One needs infinite pliability and a single heart.

MEDATIONS, Krishnamurti Foundation Trust Ltd., 1979

………
騒ぎに巻き込まれてはいけません。真理どころか、事実さえ誤魔化し、不安を飯のタネにしているだけのマスコミにだまされてはいけません。
自分が素直に納得のいく生き方をつらぬくのです。(K's Point)

035

瞑想は、人生における最高の芸術のひとつです。おそらく、最高のものです。
それに、瞑想は誰からも学べないのです。

Meditation is one of the greatest arts in life, perhaps the greatest, and one cannot possibly learn it from anybody. 

MEDATIONS, Krishnamurti Foundation Trust Ltd., 1979

………
インストラクターの指導に従って誘導される行為は瞑想だろうか。それが、知識漬けの頭の描く空間内の出来ごとにとどまっているなら、瞑想ではなく、きっと思考の変形にすぎない。(K's Point)

034

真実を見出すのに、信じる必要はあるでしょうか。知るよりも、学ぶことがずっと重要です。
信念を理解すれば、信念は終息します。信念からこころが解放されると、見る力がえられます。

Is belief necessary to find out? To learn is far more important than to know. 
Learning about belief is the end of belief. When the mind is free of belief then it can look. It is belief, or disbelief, that binds.

The Urgency of Change, Harper&Row, 1970

033

要求は二元論から生じてくるのです。
「私は幸せでない。そこで、幸せにならなければならない。」その、幸せにならなければならないという強い要求にこそ不幸が根付いているのです。

Demand is born out of duality: 'I am unhappy and I must be happy'.
In that very demand that I must be happy is unhappiness.

Freedom From The Known, 1998

032

私は世界であり、世界が私なのだ、というとき、そこには「私」はないのです。それだからこそ、そのような実感が素晴らしいのです。そのとき、愛というものが何なのかを、あなたは知ることになるのです。

When you say, 'I am the world and the world is me,'there is no 'me'. So it is a tremendous thing to realise. Then you will know what compassion is.

Second public talk, Madras, December 1973

031

依存すればするほど、不安は、その依存に比例して増えていくのです。

So you depend more and more, and then the fear increases in proportion to your dependence.

The Urgency of Change

………
依存という心情は、他者への期待の膨らみをもたらす思考の働きに依るのだが、その思考の働きに当人が気づいていない。自己の意識の内部で活動している思考を見極めるには、自己像を透明なものにする作業が不可欠である。(K's Point)

030

思考は、孤独を、虚無感を、うみだします。それは、思考が限定されたものであり、断片的で、分割されているせいなのです。このことが分かれば、孤独はなくなり、執着から解放されます。

Thought has created this sense of loneliness, this emptiness, because it is limited, fragmentary, divided and when it realizes this, loneliness is not, therefore there is freedom from attachment.

Brockwood Park, England, 19770830

029

ひとは、在りのままの自分を、在るべき自分像で覆い隠しているのです。それで表面上は、穏やかを装っています。

We cover up what we are by what shall become and we are at peace- superficially.

Krishnamurti And The Experience of The Silent Mind, CHETANA, 1969

029

ひとは、在りのままの自分を、在るべき自分像で覆い隠しているのです。それで表面上は、穏やかを装っています。

We cover up what we are by what shall become and we are at peace- superficially.

Krishnamurti And The Experience of The Silent Mind, CHETANA, 1969

028

知ることよりも学ぶことがずっと重要です。信じているものについて学ぶと、信じる必要はなくなります。頭脳が信じるものから解放されれば、ありのままが見えるようになるのです。

To learn is far more important than to know. Learning about belief is the end of belief. When the mind is free of belief then it can look.

The Urgency of Change 

027

奇跡的な感受性をえるには、過去を完全に洗い落とすことです。否定は最も積極的な行動ですから。

This is the miracle of perception – to perceive with a heart and mind that are completely cleansed of the past. Negation is the most positive action.

The Urgency of Change

026

愛は頭の中にはありません。

Love is not in within the brain.

Ojai, 1985

………
「考え」の中にあるものは愛ではない。それは、愛のフリをした、計算であり、取引なのだ。(K's Point)

025

愛は、執着のあるところに、存在しません。

Love cannot exist when there is attachment.

England, Brockwood Park, 1977

………
執着を愛と勘違いするのは、思考で愛をねつ造しているからだ。(K's Point)

024

善は、「あるべき」ところにはなく、「ありのまま」の理解の中にあります。

The good is not in what should be, it lies in the understanding of what is.

Commentaries On Living, second series, KRISHNAMURTI FOUNDATION INDIA, 1991

023

私は、私自身とその附属物を混同しません。

I don't identify myself with my conditioning.

Public Discussion 1 Saanen, Switzerland ,26 July 1978

………

このコメントを口にする少し前にKは、「こういうことは二十歳以来はっきり理解しました。」と笑いながら述べている。大量の知識、経験などの条件づけ素材が、本当の私を覆い隠しているのだ。(K's Point)

022

How many are willing to step out of the mainstream of society?

どれほどの数のひとが、社会の主流から抜け出たいとおもっているのでしょうか。

Conversations with J. Krishnamurti, The Theosophical Publishing House, 1990

 ………

社会の主流への参入、所属を求めて、学校を選び、職業を選び、組織を選ぶ多数派が、その社会の性格を形成していく。報酬、ステイタス、安全性などを評価基準とした理想的生き方のヴィジョンが主流を産みだし、そこでは熾烈な競争、闘争がくりひろげられる。このような主流に向けての運動に、あなた自身、妥当な決着をつけなければならない。(K's Point)

021

ごく近いところから、一番近いところから、つまり、あなた自身から始めれば、全世界は開かれます。あなたが世界だからです。

hen you start very near, with the nearest, which is you, then the whole world is open, for you are the world.

Letters to the Schools vol.1

020

本気で正直に生きようとするなら、何の矛盾も生じません。

If one wants to live honestly there can be no contradiction.

Last atlks at Saanen 1985, VICTOR GOLLANCZ LTD, 1986

019

子供の泣き声は静寂です。音が内包されているとき、そこには静寂があります。

hat child's crying is silence. When noise is within it, it is silence.

J. Krishnamurti A Biography, Pupul Jayakar, penguin, 1986

………
子供の泣き声は物質的な音を生命から出た訴求の中に閉じ込めているので、愛のバイブレーションでしかないのか。このKのメッセージに意識を没入してみたい。(K's Point)

018

答を追い求めることは、問題を回避することです。 

To look for an answer is to avoid the problem.

Commentaries On Living First Series, Krishnamurti Foundation India, 1991

………
問題を理解するのを避けて、答を早急に欲しがる。このような行為が問題の解消を遠ざけるという事実に、思考は気づかない。(K's Point)

017

真実は希望は与えませんが、理解を与えてくれます。

Truth does not give hope;it gives understanding. 

THE POOL OF WISDOM, 2014

016

ひとは過去であり、現在であり、未来なのです。
それが、ひとなのです。

You are the past, the present, and the future. You are that.

On Love and Loneliness, 1994

015

「自分」というものがなければ、死はなんでもありません。

Without the me, death has no meaning

On Love and Loneliness, 1994

014

概念には価値がありません。事実から離れてしまうからです。

Concepts have no value because you are away from facts 

Brockwood Park, 24th June, 1983

013

自由のあるところには、選択肢はありません。

Where there is freedom there is no choice 

3rd Public Talk, San Diego, 1970

012

親切だというのが愛ではありません。
でも、愛は親切のもつものを全て含みもっているのです。

Being kind is not love, but love includes all that. 

5th Public Talk, Saanen, 1984

011

不安は、ありのままを受け入れない姿である。

Fear is the non-acceptance of what is. 

The KRISHNAMURTI READER, 1970

010

待っているのは死である。
生きるのだ。活動するのだ。
歩くのだ。

Waiting is death. Live, move, walk. 

J. Krishnamurti: A BIOGRAPHY, 1986

009

何かについて考えるのと、ただ考えるのは同じではない。

Thinking about something is different from thinking. 

KRISHNAMURTI: THE YEAR OF FULFILLMENT, 1991

008

自分を守ろうとすると、恐怖がうまれる。

Wherever there is a desire for self-protection, there is fear. 

The KRISHNAMURTI READER, 1970

007

見るという行為に予定は入り込まない。

Seeing is not scheduled.

San Diego, California, 1974

006

独りにとどまることは、完全な自由を意味する。

Staying to be alone implys a total freedom. 

Brockwood Park, 1976

005

愛と恐怖は共存できない。

Love and fear cannot go together.

2nd Public Talk, Bombay, 22nd, January, 1978 

004

学ぶという行為は、過去とは無縁の絶えざる運動である。

Learning is constant movement without the past.

Freedom From The Known, 1998

003

思考は時間である。
思考は、体験や知識という
時間とは不可分なものから生じる。

Thought is time.
Thought is born of experience, of knowledge, which are inseparable from time. 

KRISHNAMURTI: THE YEARS OF FULFILLMENT, 1991

002

行動に急ぐな。何が起こっているか、しっかり観察せよ。

Do nothing, see what happens.

A BIOGRAPHY, 1986

001

今日という日の瞑想は、新たな目覚めであり、善良なもののもつ美への新たな開花といえる。

The meditation of today is a new awaking, a new flowering of the beauty of goodness.

The Only Revolution, 1970